修正型電気けいれん療法
- 精神科専門医
- 精神保健指定医
- 麻酔標榜医
- 産業医
- 修正型電気けいれん療法
- 感情障害
- 統合失調症
- 認知症
治療法の紹介
修正型電気けいれん療法(mECT)とは
電気けいれん療法(Electro Convulsive Therapy)とは、古くから行われてきた治療法であり1930年代には行われていた記録があります。
全身麻酔薬と筋弛緩薬を使用して、身体的苦痛やけいれんによる影響を緩和したものが、「修正型(Modified)」電気けいれん療法(Modified Electro Convulsive Therapyを略してmECT)と呼ばれます。
留意点
安全性について
修正型電気けいれん療法の死亡例は5万回に1回程度とされています。可能な限り事前の検査で安全性の検討を行うことはもちろんのこと、必要に応じて他科の医師による診察を行うなど、最大限の配慮を行っています。
懸念される副作用 | |
---|---|
実施直後 |
|
麻酔から覚めた後 |
|
治療の流れ
事前検査
患者さまの状態に応じて可能な範囲で血液検査、心電図検査、頭部CT、胸部レントゲンなどの検査を行います。
場合によっては当院内外の他科医師への受診をお願いすることがあります。
診察とご説明
担当の医師が患者さまを診察し、ご家族、場合によっては患者さまにも直接、治療の説明を行います。
絶食
固形分の摂食は治療前日の21時まで可能です。これが守れないと誤嚥性肺炎という合併症を起こすことがあるため、必要に応じて個室に入っていただく場合があります。こちらから指定した飲み物については直前から2時間程度前まで自由に飲んでいただけます。
点滴
手術当日の朝に点滴を行います。
麻酔
殆どの患者さまは治療室(手術室)に入室してすぐに麻酔薬で眠ってもらいます。
施術
眠っている間に治療の準備をした後に追加の麻酔薬と筋弛緩薬を投与します。その後前頭部より数秒間の電気を流し治療を行います。個人差はありますが、通電からけいれんまで長くて2分程度で治療は終了します。
診察とご説明
治療終了後、血圧や呼吸が落ち着いた時点で病室に戻ります。目が覚めるのは病室のベッドの上ということになります。
このような治療を週2回のペースで6回から12回を行って1クールとします。場合によってはメンテナンスと言って月に1回から2回治療して維持することがあります。